冬は必ず春となるとの理どおり、先日までの厳しい寒さも和らぎ、校庭の木々の梢にも確かな春の息吹が感じられる、今日の佳き日、奈良県立二階堂高等学校 第46回卒業証書授与式を挙行できますことは、保護者の皆様はもとより、我々教職員にとりましても、この上ない大きな喜びです。堂々と胸を張った誇らしげな卒業生の皆さんの姿を見ることができ、本当に嬉しく思います。また本日、ご来賓の皆様に於かれましては、ご多忙にも関わりませずご臨席を賜り、卒業生の輝かしい前途を祝福いただきますことに、高い所からではございますが、心より厚く御礼申し上げます。
さて、ただ今、卒業証書を手にされた110名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。めでたく今日の晴れの日を迎えられた、皆さんのこれまでの頑張りに大きな拍手を送ります。今、皆さんの胸には、どのような思いが浮かんでいるでしょうか。振り返れば、皆さんは、中学・高校の大切な時期にコロナ禍を経験しました。昨年5月で一応の収束をみ、学校生活も手探りの状態でしたが通常に戻ってきました。そして、今年度は最高学年として学校生活を過ごしました。多くの時間を級友と過ごした、日常の何気ないひと時。進路選択に悩み・もがきながらも、決めた目標に向かって取り組んだ孤独な戦い。合格通知を手にしたときの喜びは、この上ないものだったと思いますが、同時に、次のステージに進まなければならない、不安と寂しさも感じたことでしょう。
そんな中でも、体育大会では、走り・跳び、最高のチームワークを見せてくれました。本校の伝統である体育大会の掉尾を飾るPTAの「ソーラン節」では、曲が流れると応援席からも生徒達がフィールドに出てきて一緒になって踊り、即興ではありましたが、その一体感と躍動する姿は、見ている皆に感動を与えました。11月には、七年ぶりに待望の校内文化祭も開催することができました。展示や舞台発表、模擬店に、青春のエネルギーが爆発し、テーマである「桜花爛漫 チーム二階堂」にふさわしく、二階堂生と分教室生が一つとなり、笑顔溢れるとても爽やかな文化祭に作り上げてくれました。
高校での3年間は、長い人生のほんの一部分かもしれませんが、人生の中で最も輝く、貴重な時期であり、その思い出の一つ一つが皆さんが前に進むエネルギーになっていることと思います。これまで皆さんは12年間、「学校」という枠の中で過ごし、ある意味、守られた環境の下で、決められたレールの上を進んできたのかもしれません。
しかし、これから皆さんが生きていく社会は、少子高齢化による生産年齢人口の減少や急激なスピードで進むAIなどの技術革新により、社会構造が大きく変化していくと言われています。それに加え、止まらない環境破壊や自然災害、ますます身近に感じるようになった世界的な情勢不安など、未来を簡単に予測できない不確実な社会を生きていかなければなりません。どの課題も「こうすれば良くなる」という明確な解決策は見つからないものばかりですが、皆さんはこれらの諸課題に無関心になるのではなく、一人の社会人として問題意識をもち続け、自分の出来ることに取り組んでほしいと思います。
その基盤は、本校の「総合的な探究の時間」=『社会人基礎力』の授業で学び、培ってきました。皆さんが3年間で身に付けた『社会人基礎力』、すなわち「前に踏み出す力」・「考え抜く力」・「チームで働く力」の三つの力は、自らのキャリアを切り拓くだけに留まらず、社会をより良く変えていく大切な推進力でもあるのです。
これから社会の大海原に船出する皆さんに、発明王・エジソンの言葉を贈ります。それは、「成功の反対は失敗ではなく、挑戦しないことである」というものです。エジソンの代表的な白熱電球の発明の裏にも、約2万回の試行錯誤・失敗があったと言われています。挫折と挑戦をくり返したエジソンの「負けない姿」は、諦めず目標に向かって取り組み続ける限り、その途中での失敗は成功への糧となり、成功を掴むことができる、諦めた瞬間が本当の失敗であるということを教えてくれています。
また、喜劇王・チャップリンは「人生は近くで見れば悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」と言いました。人は誰しも、何か良くないことが起きると感情的に、その事は悲劇的な出来事だと捉えてしまいます。しかし、失敗や悩み、想定外のトラブルも、長い目で見れば「人生の一部」として、その後の人生を好転させるためのターニングポイントになる出来事だったと気付くことがあります。要は、その出来事をどう受け止め、どう次につなげていくのかは、自分の視点次第で変わるのです。
私たちは「人生」という舞台でその瞬間に最善を尽くし、自分なりの物語を紡いでいくわけですが、その人生劇場の主人公は、他でもなく自分自身です。自分で考え選択し、自分が演じ行動したままに、人生は綴られていくのです。ですから、人生という無限に広がる舞台で、自分の役割を意識し、110名それぞれの物語を、心を込めて創り上げてほしいと思います。
皆さんは、高校3年間を見事に駆け抜けてきました。途中には、心が折れそうになる出来事も少なくなかったかもしれませんが、皆さんは、今日、この場に立つことができました。それは皆さん自身が頑張った結果です。そのことを皆さんは大いに誇ってください。そして胸を張って本校を巣立ち、社会へ羽ばたいていってもらいたいと思います。しかし、卒業は決して自分だけの力で成ったものではありません。家族や友達、先生方をはじめ周囲の人々の多くの支えがあったはずです。そのことに感謝の気持ちをもち、今後は周囲の人々のために、そして世の中のために皆さんの持てる力を存分に発揮してもらいたいと願います。
最後になりましたが、保護者の皆様にお祝いと御礼を申し上げます。本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。18年間、慈しみ、育まれたお子様の晴れ姿をご覧になり、感激も一入のことと存じます。また、これまで本校にお寄せいただいた多大なご協力とご支援に対しまして、全教職員を代表し、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
卒業生の皆さん、今後は同窓会の一員として、母校の発展と後輩たちの頑張りを温かく見守ってください。一生を劇のごとく!筋書きは皆さんの胸にあります。今日より新しいページをめくり、自分らしく、自分自身の挑戦のドラマを描いていってください。皆さんの前途に幸多からんことを祈念いたしまして式辞といたします。
令和7年3月1日
奈良県立二階堂高等学校長 辻 誠
三年生の皆さん 御卒業おめでとうございます。
三年間役員をし、成長していく姿を見ることができて本当に嬉しく、そして最高の景色を見せてくれました。心を震わされたコーラス部の歌声、会長として何が出来るのかを考えさせられました。学校外で出来る限り二階堂高校のよさをアピールしようと心に誓い、この一年頑張ってこれたのも素敵な歌声からです。ありがとう。
体育大会では一緒にソーラン節を踊ってくれました。2年生・1年生・分教室の子達までもがグラウンドに入ってきてくれ、二階堂高校が一体感になった景色は一生忘れられない宝物です。
7年ぶりの文化祭も高校生とは思えないクオリティーで美味しく、接客応対も完璧で、ステージでは圧巻の盛り上がりを見せてくれた事、本当に誇らしいです。
そんなみんなに、これから先、少しだけアドバイスをさせて下さい。
1つ目は人の良い所を3つ見つける癖をつけて下さい。人は悪い所を見つけ、それが目につきます。みんなには良いところを見つけれる人になってほしいです。見ると言う事、目を動かし周りを見る、その先には目配り・気配りが出来る優しい大人になれます。
2つ目は「ありがとう」と「ごめんなさい」を言える大人になって下さい。何にありがとうを言えるか、目で見ていたら伝えられます。素敵な大人になって下さい。
3つ目は、心が楽になる魔法の言葉を最後にお伝えします。
『なんとなかる』人生なんとかなる。
ダメな時も心に伝えて下さい。心が苦しくならないように。
右脳のネガティブ脳にダメだった事を残さないで。
なんとかならないのは『死』です。大切な人、どれだけお金を積んでも生き返らない!!
『人生なんとかなる』辛い時は、心に言い聞かせて下さい。
18年前、大きな産声で産まれてきたのだから。人生笑って!! 笑った幸せな大人になって下さい。
本当に三年間、よく頑張りました。おめでとう。そしてありがとう。
保護者の皆様には、日々、PTA活動にご協力頂けました事、役員を代表し御礼申し上げます。本当に素敵な110名に会わせて頂くことができました。ありがとうございました。最後に1つだけお願いがあります。私達の子供が卒業します二階堂高校の価値を上げる為にも、いい学校だったと言い続けてほしいです。本当にありがとうございました。
校長先生、教頭先生、教職員の先生方、この子達を信じて7年ぶりに文化祭を開催して頂けた事、また、1つの思い出を作って頂けた事、心より御礼申し上げます。朝早くから校門の前に立ち、生徒指導をして頂けた事、本来ならば親がするべきしつけを先生方の熱い指導、時には生徒に寄り添い、相談にのって頂けた事、きっとこれから先、先生方の愛情を思い出すと思います。改めて『愛のあるご指導』を本当にありがとうございました。この子達が傷つく事なく、幸せな人生になります様願い、祝辞にかえさせて頂きます。
令和7年3月1日
奈良県立二階堂高等学校PTA会長 新子 まどか
1月17日(金曜日) 奈良県高校PTA研修として、南海トラフ訓練大阪研修へ行かせて頂きました。畝傍 郡山 大和広陵の役員さんと、三重 滋賀 島根PTA、京都は同志社大学生、大阪は大阪府警など、約70名ほどの参加でした。
八尾駐屯地では自衛隊ヘリコプター搭乗体験・人命救助体験、お昼からは大阪府庁(危機管理センター)で地震の歴史からの南海トラフ地震発生時の被害見積りの研修を受けた後、大阪城公園にて生活インフラ支援を実際にまた体験させて頂きました。
南海トラフは明日かも1年後かもいつくるか分からないからこそ『事前の備えとして予防対策 応急対策』を自ら学ぶ事の大切さを学ばせて頂き、できるだけ被害の軽減を図る事が重要だと思いました。
被害見積りを見た時 和歌山 三重 大阪に比べると、奈良は支援も最後になるだろうと感じ、自衛隊の方も72時間が人命救助できる最も大事な時間なんですと言われてました。
自衛隊の方も今年初めてのこの研修だと言われてまして、来年度はたくさんの方に訓練を受けて頂き、事前に対策をしてもらいと願っておられました。
南海トラフ訓練研修へ行かせて頂き、子供達にも何かあった時の待ち合わせ場所や避難所の場所を再度伝え、いつ災害があっても親として出来る事を学びました。
PTA会長 新子まどか
令和6年12月11日(水)に特別支援教育講演会『誰もが働きやすい世の中へ~まほろばあいサポート研修』に参加させて頂きました。
・多様な障害の特性や障害のある方が困っていること
・必要な配慮などを理解し障害のある方にちょっとした手助けをする
その手助けも 具体的に短い文章ではっきりと身振りをつけて絵や目印を見せてゆっくりと伝える を教えて頂きました。
まだ不利益な扱い 差別があることを聞き 今回の研修を通じて 障害のある方にどんな手助けが出来るのか学べ、また『シルコトカラ』をYouTubeでもアップされていますのでぜひ皆さんにもご覧頂きたいのと周りにも伝えていきたいと思います。
この様な研修に参加でき ありがとうございました。
特別支援教育部 2年 薬師寺 真由美
10月24日、PTA健全育成研修会がありました。「生徒指導の現状と課題」について、二階堂高等学校長 辻 誠 先生からご講話を頂きました。
まず、現状としていじめや不登校、生徒指導の件数が年々増えているという事を説明していただきました。コロナ禍で日常生活が変わり、コミュニケーションがとれない、人との関わり方や物事への対応の仕方がわからない子も増えているとの事でした。また、子どもは先生や親に悩みを相談しないというデータもあり、それは「問題がこじれるのが面倒」「大事(おおごと)にしたくない」というのが大きな理由で、中には親に心配をかけたくないと思い悩んでいる子もいるそうです。子どもの不安や悩みを(もちろん嬉しいことや楽しいことも)少しでも吐き出せる、話せるような環境作りと関係性を築くこと、それが親にとっても先生方にとってもとても重要な事だと感じました。
また、人は言葉を浴びて育つとのこと。言葉によって喜びを得、言葉によって傷つきもする。言葉によって感情を把握し言葉によって表現し、言葉を満たしていくことで心が育つ。だからできるだけ愛のある暖かい言葉で接することが大切とのことでした。
・マイナスな言葉よりプラスな言葉
・言われて嫌な言葉は言わない
・褒めるより認める
・励ますより寄り添う
今後も意識していきたいと思いました。
最後に、生徒指導とは、子どもがこれから社会に出て充実して生きることへの「指導」「援助」「支援」であると教えていただきました。学校に任せきりでなく、家庭との協力が必要だと改めて考えさせられました。いろいろと学ばせていただいた研修会でした。貴重な時間をありがとうございました。
特別支援教育部部長 遠藤 祐子
先日9月18日にPTA家庭教育研修会がありました。
『本音を言い合えるコミュニケーション』が講義内容で、 親と子の考えが違っても大丈夫!! 意見の違いを乗り越えるコミュニケーションのポイントとして、
◎思い込みで話をしていないか?
◎自分の物差し(自分が思っている事、考えている物差し)で言っていないか?
◎聴き方のコツ
◎相手の心に届く伝え方
について教えていただきました。
聴き方のコツで、子供と話をしている時や聞いている時に、自分の物差しで言葉を伝えていたり、私の聴き方の態度が、忙しい家事をしながら聞いていたり、子供が話をしている時も「違うやろ!」とそこで話を止めてしまっていたり、自分の物差しで話を聞いていましたが、今回の講義で、
・目を見ながら話を聞いてうなずく。
・感情をのせて、相づちやオウム返し、子供の考えを否定しない。
「あなたはそう思うのね」と言って、一旦受け止めて、話を聴き終わってからちゃんと 「違うと思う」を伝える。
・アドバイスしない。
・最後まで話を聴く。
それらをすることで、子供の心が満たされ、大切な自尊感情を育てる事が大切だと教えていただきました。今回この講義で学べた事は、親子共に向き合う行動、親として生活の中で取り入れて行きたいと感じました。
子供の心に寄り添える親になるよう、頑張りたいと思える講義に行くことができ、すごく学ばせていただきました。
ありがとうございました。
家庭教育部 1年 都田 クリス
第73回 全国高等学校PTA連合茨城大会へ、8月22日(日)23日(金)に参加させて頂きました。22日(日)は、奈良県私立・公立の各PTA役員38名の皆様と意見交換や各学校のアピールなどをさせて頂きました。
二階堂はよく派手な子が多いと言われ、外見は少し派手な子もいますが、真面目な子もたくさんいて、一人一人みんな素直で、部活・バイトなど頑張っている子達ばかりです。「将来の目標を持ち、頑張っている子をどうかここに来ている役員の皆様だけでも知ってください。」とお願いをしました。茨城大会のテーマの中に「親の背を見て子は育つ」とあり、これは昔から言われていますが、「背中を見せるのではなく、子どもの目を見て気持ちを伝え合うのが大事。二階堂のPTAとして、子ども達にどう見せ、気持ちを伝えられるのか」について、OBの方から続いているソーラン節10周年体育大会でのお話をさせて頂きました。
やり続ける事の大事さ、そして学校の協力のもと、二階堂PTAの活動の中でも子ども達に気持ちを伝える一つだと思います。各学校の役員の皆様にも思いが通じ、共感して頂けたこの2日間は、私にとっても貴重なお時間でした。
全国6000名のPTA役員の一人になれ、たくさんの方と出会えた事に感謝いたします。2日間、本当にありがとうございました。
PTA会長 新子 まどか
5月10日(金)、本校視聴覚室において、令和6年度 奈良県立二階堂高等学校PTA並びに文化体育後援会の総会が開催されました。平谷前会長から新子会長にバトンタッチが行われました。その後、議案書どおりすべて承認され、新しいPTAがスタートしました。
日頃より、PTA活動にご理解、ご協力くださり、誠にありがとうございます。
本年度 PTA会長を務めさせていただきます 新子まどか と申します。微力ではございますが、精一杯尽力してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
PTAの目的は、
・家庭と学校が担っているそれぞれの役割を果たしつつ育成すること
・子どもたちに、より安全で実りある機会をつくってあげたい思いを実現すること
このPTAの目的は、私たち親の共通の願いだと思います。私たち保護者や先生方をはじめ、関係者が楽しみながら仲良く和気藹々と活動することで、その姿勢が子どもたちに伝わり「学校」に関わるすべてを良くしていける小さな一歩から大きな一歩へと、皆様と一緒に始めていきたいと考えております。
二階堂高等学校で過ごした輝いた思い出を作れるよう、本部役員一同、先生方と「今」子どもたちに何ができるのかを考え、連携を取り協力しながら高校生活が充実したものになりますよう、全力でサポートさせていただきます。一年間どうぞよりしくお願いいたします。
PTA会長 新子 まどか
春の風に桜の花も舞い、恵みの雨に緑の木々にも新芽の息吹が感じられる今日の良き日、ご来賓の皆様のご臨席を賜り、第48回入学式を挙行できますこと、本当にうれしく思います。高い席からではございますが、心より厚く御礼申し上げます。
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。教職員、在校生一同、皆さんを心から大歓迎いたします。また、保護者の皆様、本日は、まことにおめでとうございます。本校は昭和52年に開校し、今年で四十八年目を迎えます。平成27年度に普通科から総合学科・キャリアデザイン科へ改編し、力強い歩みを続けて参りました。「英知・誠実・剛健」の校訓と「磨き合い共に輝け二階堂」のスローガンの下、「前に踏み出す力(アクション)」「考え抜く力(シンキング)」「チームで働く力(チームワーク)」の三つの力を「社会人基礎力」と捉え、それらを磨くことによって、生徒一人ひとりが進路実現と自己実現を果たし、地域社会や国際社会に貢献できる人材となって羽ばたくことを教育目標として、日々取り組んでおります。
また、本校は橿原美容専門学校とのダブルスクール制度や県立高等養護学校分教室との交流など先進的な取組を行い、奈良県内におけるキャリア教育、ならびにインクルーシブ教育の中核を為す学校としても注目を集めております。
さて、新入生の皆さんは「守・破・離」という言葉を聞いたことがありますか。これは、武道や茶道などの世界で、修業における段階を示した言葉だと言われています。最初の【守】は、師匠についてその流派の教えや技を習い、その教えを忠実に守りながら修行し、しっかりと身につけること。二番目の【破】は、師匠に教えられたことを身につけた後、一歩進めて、自分の特性に合うように鍛錬し、他の流派の教えについても研究し、その良い点も取り入れて心技を発展させる段階。そして最後の【離】は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し、新境地を拓いて一流を編み出すこととされています。
私たちの人生に置き換えると、この守・破・離の段階を何十年もかけて越えながら、最高の自己実現を目指し、満足できる生き方・在り方を編み出していくことによって、自分らしく輝く人生を築いていくことではないかと思います。そう考えると、いま皆さんはまさに「守」の真っ只中で、人生の基盤となる基礎を学んでいるのです。「守」をしっかり築かないままでは、いつまで経っても「破」や「離」には進めません。
今日から高校生活が始まりますが、まずは一番の基本となること、「毎日学校へ登校する」ことから始めてください。今日、皆さんはスタートラインに立つことができました。ここからは全力疾走する人、景色を楽しみながらジョギングする人、ゆっくりと確実に歩みを進める人、それぞれの進み方で構わないですが、とにかく毎日学校に来て、あなた自身の歩みを前に進めていってください。
次に、自分の世界をより豊かに広げるための基本となること、時間を守る・ルールやマナーを守る・そして自分を守るためにも周りの人に対する思いやりをもって接してほしいと思います。鏡に映る自分に笑顔を向けると、鏡の中の自分も笑顔を返してくれます。人間関係もそれと同じように、皆さんが周りの人に思いやりをもって優しく接すると、相手からも優しさが返ってくるはずです。
そして、高校生活をより楽しく過ごすために、出会いを大切にしてください。新しいクラスメイトとの出会い、2・3年生の先輩との出会いや高等養護学校分教室の生徒との出会い、担任・副担任や教科担当の先生方との出会い、また地域の方々との出会いなど、たくさんの人との出会いを大切にしてください。
人は同じものを見たり聞いたりしても、感じ方、捉え方は様々です。時には、自分とは違いすぎて理解に苦しむこともあるかもしれませんが、ゆっくりとでいいですから受け入れてあげてください。そういう違った価値観や人間性に出会うことによって、自分だけの限られた価値観が刺激を受け、自分の世界が広がり、人としての幅や深みが備わってくるのです。また、授業や検定試験などを通して新しい学びにも出会ってください。気持ちを新たに頑張れば苦手だったことができるようになるなど、自分でも知らなかった新しい自分にも出会うことができます。他にも、部活動や生徒会活動、学校行事での新しい体験にも出会い、思う存分、青春を楽しんでください。
皆さんには、これまでの学校生活での、いい思い出もあれば、苦い経験もあったかもしれません。それらはすべて過去のものです。今日からはここに集った139名の仲間とともに、二階堂高校での三年間がスタートします。いまはまだ不安な気持ちもあるかもしれませんが、皆さんは決して独りぼっちではありません。助けてくれる仲間や先生方が周りにこれだけいることを忘れないでください。今日からは、大きな声で二階堂の校歌を歌い、誇りをもって二階堂の制服を着こなし、そして、二階堂高校と二階堂高校生である自分を好きになってほしいと願っています。皆さんが3年生になるときに本校は創立50周年を迎えます。次の50年への扉を開く主体者として、力を合わせて新たな歴史を刻んでいきましょう。
最後に、保護者の皆様にお願いがあります。私ども教職員一同は、皆様のご期待にお応えすべく、誠心誠意、日々の教育活動に力を尽くす所存でございます。お子様に対して毅然とした温もりのある指導や支援を心掛けますので、保護者の皆様には、何卒、本校の教育方針にご理解を賜り、お子様の「成長」を共に考え、支えるという視点でご協力をよろしくお願い致します。
結びに、139名の新入生とそのご家族のご健勝、二階堂高校の益々の発展を祈念して、式辞と致します。
令和6年4月9日
奈良県立二階堂高等学校長 辻 誠
新入生の皆さん
二階堂高校へのご入学おめでとうございます。
合わせて保護者の皆様にも心よりお祝い申し上げます。
皆さんは、今どのような高校生活を思い描いてるでしょうか?もう既に明確な目標を持たれている人、これから目標を見つける人、様々だと思います。勉強も、もちろん全力で取り組んで頂きたいと思いますが、部活動や、学校での普段の生活にこそ友を作る機会や生涯の宝になる経験があると思います。色々な事に興味を持って、経験を深め沢山の人と話をして、生きる力を培って下さい。時には、うまくいかない事や、思うようにいかない事、また つらい経験をする事もあるかもしれません。そんな時こそ、成長するチャンスだと思って下さい。壁が高ければ高いほど、それを乗り越える為に、一生懸命に悩み、考え、行動します。こうして、人は成長していくのだと思います。
皆さんには、失敗を恐れずに、どんどんチャレンジしてほしいと思います。これからの時代、柔軟な思考力、行動力、バランス感覚を身につけ、自分で自分の未来を切り開いていく力を持つ事が大切です。その為に、過去に執着せず、未来を恐れず、今を一生懸命に生きてほしいと思います。どんどんチャレンジして下さい。
そして、なんとしても、3年間、この二階堂高校で頑張ると強く思い、頑張ってほしい!!そして、3年後の卒業式の日には、ここにいる全員で、卒業を笑顔で迎えてほしいと思います。二階堂高校の先生方は、皆さんの事を一生懸命に考え、支え、励まし、応援して下さいます。苦しい時、くじけそうな時、困った時には、声を上げ、先生方に相談し、頼ってほしいです。必ず力になってくださいます。そして、保護者の皆さまも、ご安心下さい。
私の長女が現在こちらの学校に通っておりますが、入学当初は、とても不安な気持ちと、勉強、部活動の両立が出来るのか、心配をしておりましたが、しかし、担任の先生をはじめ、学年主任、部活動の顧問、本当に学校全体で見守り、支えて頂いております。そんな長女は、二階堂高校のキャリアデザインと言う、この学校にしかない特色を活かして、現在 橿原美容専門学校とのダブルスクールで頑張っています。なによりも、毎日を楽しんで笑顔で学校に通ってくれています。高校3年間はあっという間です。PTAの私たちは、皆様の高校生活が充実したものとなるように、全力でサポートさせて頂きます。
最後になりましたが、保護者の皆さま本日は、おめでとうございます。保護者の皆さまにとっても、PTAを通して、子どもたちとかかわる事が出来る最後の機会です。子どもたちと、共に楽しみ、共に成長出来るPTA活動をめざし、保護者の皆さまのご理解、ご協力、ご参加をお願い申し上げます。
新入生の皆様のご健勝と、高校生活が実りあるものになりますよう、今後のご活躍を心から願い、わたくしからの祝辞とさせていただきます。
本日は、誠におめでとうございます。
令和7年4月9日
奈良県立二階堂高等学校PTA会長 平谷 真歩