春の風に桜の花も舞い、若葉が萌えいずる今日の良き日、ご来賓の皆様のご臨席を賜り、奈良県立二階堂高等学校第五十回入学式を挙行できますことは、私どもにとりましてこの上ない慶びであり、感謝申し上げます。また、平素から本校教育の充実と発展のため、格別の御支援と御協力を賜っておりますこと、高壇からではございますが心から御礼申し上げます。
さて、先ほど本校への入学を許可いたしました八十一名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。本日より始まる高校生活に向けて、期待に胸をふくらませていることと思います。また、これまで慈愛に満ち、お子様の一番の理解者として成長を支えてこられました保護者の皆様、お子様の御入学を心からお祝い申し上げます。
本校は、「英知・誠実・剛健」の校訓と「磨き合い 共に輝け 二階堂」のスローガンの下、「前に踏み出す力(アクション)」「考え抜く力(シンキング)」「チームで働く力(チームワーク)」の三つの力を「社会人基礎力」と捉え、それらを磨くことによって生徒一人一人が進路実現と自己実現を果たし、地域社会や国際社会に貢献できる人材となることを教育目標として、日々取り組んでおります。
また、橿原美容専門学校とのダブルスクール制度や敷地内にある県立高等養護学校二階堂学舎との交流など先進的な取組を行い、奈良県内におけるキャリア教育ならびにインクルーシブ教育の中核を為す学校です。
新入生の皆さんは、保護者や中学校の先生と相談の上、数ある高校の中から最終的には二階堂高校を自ら選んで進学を決められたことと思います。選んでいただいたことにお礼を申し上げます。本年度は、学校創立五十周年の記念すべき節目に当たります。皆さんは、これまでの歴史とこれからの未来を繋ぐ主役となります。歴史と伝統を大切に受け継ぎながら、新たな一ページを共に書き加えていきましょう。大きな声で校歌を歌い、誇りをもって制服を着こなし、1日も早く二階堂高校生である自分を好きになってほしいと願っています。
今日から皆さんは、本校で自分を磨いていくことになりますが、皆さんには、敢えて何のために学ぶのかという基本に立ち返っていただきたいと思います。その答えの一つが自己実現です。なりたい自分になるために、皆さんは大いに悩み、自分の頭で考え、自分の信じるところに従って高校生活の学びを積み上げてください。
高校生になった皆さんは、これから何にでもなれる可能性がありますが、まだ何者でもない矛盾に満ちた状態です。この期待と不安が入り交じった状態からいずれ抜け出さなければならない時がやって来ます。古代ギリシャに「汝自身を知れ」という格言がありますが、皆さんの中の「本当の自分」「無限の可能性」を見つけ引き出すことが大切です。
また、人は誰でも物事がスムーズに進むことを望みます。しかし、スムーズな経験から学べることは多くはありません。時には面倒な経験、困難な経験が人を成長させます。身に付く「学び」がそこにはあるのです。皆さんには、これから3年間、楽しいことがたくさんあるでしょう。でも、楽しくないことも、もちろん起こります。そこにこそ学ぶチャンスがあることを忘れないでください。
さあ、新入生の皆さん、他人と比較する必要はありません。しっかりと前を見据えて、学習、部活動等、様々なことにチャレンジしてください。熱心な先生方の下で一つ一つ成功体験を積み、皆さんの素晴らしい未来につながる力を身に付けていきましょう。
保護者の皆様、お子様の教育を本校に託していただき、誠にありがとうございます。御不安も多々あろうかと思いますが、私たちがそうであったように、お子様は苦しみながら、時には回り道をしながら壁を一つ一つ乗り越えて成長していきます。三年という間には様々な事があるかも知れません。私たち教職員一同は微力ながら最善の努力を傾け、時には優しく、時には厳しく導いて参ります。しかしながら、教育は学校だけでその目的や成果が達成されるわけではありません。学校と家庭、さらには地域や関係機関が緊密に連携し、一体となってこそ十分な成果が期待できるものと考えます。どうかお子様のより良い成長に向けて、御支援と御協力を賜りますよう切にお願い申し上げます。
最後に新入生の皆さん、長い道のりですが、三年後には二階堂高校で学んで良かったと心から思える高校生活にしていきましょう。すでに時は刻まれています。本校で過ごす日々が、これからの長い人生の中で光り輝くことを心から祈念して式辞とします。
令和8年4月9日
奈良県立二階堂高等学校長 甲斐田 剛
舞い始めた桜の花びらが道に薄紅色の絨毯を広げ、木々が少しずつ若葉へと着替えを始める季節となりました。
ただいまご紹介に預かりました、令和七年度二階堂高校PTA会長の竹下綾乃です。新入生の皆さん、保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。新しい制服に身を包んだ皆さんは、今、大きな希望と少しの不安が入り混じった場所に立っていることと思います。これから始まる高校生活は、自分自身の正解を探して、多くの選択を積み重ねていく三年間です。全てが順風満帆に運ぶことばかりではなく、自分の力不足を痛感し、自信を失いそうになる日もきっとあるでしょう。
例え、今いるこの場所が自分が探していたものと違っていたとしても、それは決して間違いじゃありません。悩みながら、もがきながら選んだその道こそが、後から振り返ったときに皆さんだけのかけがえのない財産になるはずです。
そんなときこそ、「次の扉をノックしてみよう」と軽やかな強さを胸に、一歩前へ踏み出してみてください。若さゆえの溢れるエネルギーで、失敗を恐れず新しい自分に出会うための扉を開け続ける勇気が、皆さんをより豊かな未来へと導いてくれると信じています。
さて、保護者の皆様。お子様のご入学、心よりお慶び申し上げます。二階堂高校の先生方は、どなたも非常に情熱に溢れ、生徒一人ひとりの可能性を信じて決して諦めることなく、力強く支えてくださる熱心なご指導をしてくださいます。日々の中で壁にぶつかり、悩みに直面したときには、どうかご家庭で抱え込まず、すぐに先生方へ相談してみてください。
学校とご家庭がしっかりと手を携え、お子様を多角的にサポートしていくことが、一番の近道であると私たちは確信しております。
また、PTA活動も、子どもたちの健やかな成長を支えるパートナーです。お忙しい毎日かと存じますが、温かいご理解と、無理のない範囲でのご協力を賜りますようお願い申し上げます。
三年後、ここにいる皆さんがそれぞれの志す進路に向かって、晴れやかな笑顔で卒業の日を迎えられること。そして「この学校で良かった」と全員で笑い合える未来を心より願い、私からのお祝いの言葉とさせていただきます。
令和8年4月9日
奈良県立二階堂高等学校 PTA会長 竹下 綾乃